30日付日経が「領土、ロシアも対日圧力」と題して、北方領土(千島列島のうち南の4島のみ)と尖閣列島問題を並べて特集しています。27日第2次世界大戦終結65周年記念中ロ共同声明で「歴史を捏造する試み」と表現しているのは「日本を念頭に非難したもの」と断じ、「尖閣列島の領有権を主張する中国に続き、ロシアも領土を巡る対日強硬姿勢に傾いている」と報じています。
解説欄では秋田浩之編集委員が「外交と社交は違う」と題して、「日本外交には戦略が無い。鳩山前首相が2回もロシアに来たが、ただの社交だけ」ロシアは「日本と戦略的に組めば中国との均衡を保てる、と考えたこともあったが期待外れに終わった」(日ロ関係筋)と述べている、と解説しています。外交ではこちらの主張と根拠を相手にキチンと認識させることから始まると言われます。「外交」は「社交」とは違う取り組みです。
30日衆院予算委員会の尖閣列島をめぐる諸問題集中審議で、日本共産党笠井亮議員は「日本の領有権は歴史的にも国際法上も明確に根拠があることを中国や国際社会に明らかにする活動こそ今求められる」と政府を追及しました。菅首相、前原外相は「認識は同じ」「大いに反省」と答弁しました。
日本共産党は、沖縄県民の圧倒的な声である、普天間基地の無条件返還を、アメリカ政府に申し入れ再交渉を、と主張しています。沖縄県尖閣列島を巡る問題についても、領有権主張と共に、沖縄県議会の「漁業者の安全操業、航行を求める」決議に沿って、中国政府と協議することを求めています。
もしも「尖閣列島も日米安保の範囲内」として、軍事的な対応に走るようなことがあれば最低です。そもそも、事は日本の主権に関わることです。アメリカなどと単独講和条約及び軍事同盟(日米安保条約)を結んだことこそ問題です。単独講和条約において、日本固有の領土である千島列島を放棄するという外交上の過ちを犯しています。その後、南の4島のみ「北方領土」として領有権を主張していますが、国際的な説得力を持ち得ていません。
「冷戦」時代を引きずり、日本がアメリカ陣営の一員という図式こそ脱却すべきです。単独講和条約で放棄させられた沖縄施政権の日本返還の際、米軍基地の自由使用が拡大され、ベトナム戦争、イラク戦争などの出撃基地にされました。アメリカの侵略戦争に加担させられる日米安保条約破棄こそ日本外交最大の課題です。今やアジア・太平洋諸国の自主外交時代が到来し、日本外交の主体性が問われています。
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