「仕事が無い、生活が厳しい」この状況は一昨年来改善されないまま時間が経っています。昨年8月衆院選時には、この切実な声が自公政権への怒りになって「自公政権退場!!」を実現しました。しかし、今回参院選では、交代した民主党政権の公約違反、消費税増税への怒りが、二大政党でない第三極標榜新党に集められた面があります。
新しい政党配置の下で「仕事が無い、生活が厳しい」という状況が改善されるのかどうか、政治への期待感は低下しています。「党利党略で争う場合か、国難に一致団結して当たれ」と、大政翼賛会のような言い方もなされることがあります。
大企業に乗り込んで「派遣切り止めよ」とはっきり要求し、「年越し派遣村」など労働者の救済と行政を動かした日本共産党の勢いが有権者に届かなかったのか。初訪米で核廃絶と普天間基地無条件返還を直接交渉した日本共産党の活動は歴史を動かす一歩にもならなかったのか。日本共産党の活動を広範な有権者に知らせ、声を聞く活動(党勢拡大、支持拡大)をもっとすべきだった、その不十分さを今回ほど痛感したことはありません。
いま一番の経済問題は、大企業・大資産家が富をひとり占めし海外投資で儲けようとするから、国民は貧しく、国内経済も成長しない。そこにメスを入れる政治が求められていることは明らかです。しかし、雇用し賃金を払う大企業・大資産家が「ウン」と言ってくれなければどうしようもない、と思っている人も多いのではないでしょうか。
「大企業・大資産家」は、自ら儲けたものの中から賃金を払っているという観念をもっています。一方、労働者は「自分の労働力を時間拘束された」として、それに対する賃金を要求します。そこには根本的対立・矛盾があります。しかし、現社会(資本主義)では「大企業・大資産家」の観念が人々を支配し、「大企業・大資産家」に「世話になっている」と思わせ「モノを言い難く」しているのです。
日本共産党は「消費税増税で庶民をいじめるな、大企業・大資産家優遇の税制こ改めよ」と主張しましたが、「財政赤字解消」「社会保障財源」などのため「やむ無し!消費税増税」の主張は、日本共産党以外オール与党です。支配的思想を転換させるには大きな力が要ります。