「ポスト・チボリ」と称して倉敷市が「チボリ跡地」構想を発表しています。倉敷用水緑道公園、1haの市民公園を倉敷市がつくり、クラボウが残り11haの土地をイトーヨーカ堂に貸して大型商業施設をつくる、という構想です。
これに対して、11月27日「チボリ跡地を考える市民の集い」では、倉敷用水緑道公園について、隣接する川入の住民から、「チボリ」北側の倉敷市が土地買収し道路公園としているものを残して欲しい、という声が上がっています。1haの市民公園については、大型商業施設のための公園としてイトーヨーカ堂がつくるべきで税金投入は反対、という意見が市議会でも出されたと、報告がありました。大型商業施設については、駅南の商店街アンケート結果は「来客が減る」27%、「利益増につながるとは思わない」52%で、歓迎されていない、と報告されました。倉敷市の「チボリ跡地」構想は問題だらけではないでしょうか。
「チボリを起爆剤にした」駅北開発と称して、県事業である倉敷駅周辺連続立体交差(鉄道高架)、都市計画道路建設及び土地区画整理(第2~第5)事業が計画・推進されています。さらに線路南の倉敷駅東土地区画整理事業は、寿町踏切を通る県道昭和宮前線、駅南の国道429を含み、鉄道高架の関連事業とされています。今これらの計画は、新政権の公共事業見直しに掛けられ、どうなるのか様子見の状況です。
「チボリ跡地」が木々を残して更地になりました。隣接する石見町は第二土地区画整理による倉敷市買収地が空き地となって目立っています。駅東の土地区画整理区域で建物が撤去され空き地が増えてきました。土地区画整理区域内では、新築・改築が禁止され、「減歩・換地」と称する土地の置き換えが完了するまでこの状態が続きます。しかも、土地が置き換わっても、建物は更にその後から建てられるので、長期間の「空き地だらけ」状態が続くのです。
かつて倉敷市は、クラボウ用地に関わる第1土地区画整理を先行させ、チボリオープンに間に合わせましたが、今度は、破綻・更地となった「チボリ跡地」開発を優先しています。倉敷市のやり方は、いつも「チボリ」関連優先で、住民のまちづくりが後回しされていると思います。
県道昭和宮前線「寿町踏切」の地下道化による「開かずの」踏切除却事業は、鉄道高架のために4半世紀以上凍結され、死亡事故が起きても何ら対策が出されません。
「ポスト・チボリ」とは「跡地」問題だけではありません。「チボリ起爆剤」による無謀な開発計画の「負の遺産」で、駅周辺は空き地だらけ、「開かずの踏切」で危険、こうした状態が長期間続くのです。「ポスト・チボリ」問題として、倉敷市が総力を挙げて取り組む責任があるのは、安心して住める住民のまちづくりではないでしょうか。
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