1月3日付日経は、「2010年の日本経済は『二番底』を回避できるか」との問いで、「エコノミスト(17人)に聞く)」として「景気回復を実感できるのはいつ?」「デフレはいつまで続く?」などの経済予測を掲載しています。その中で、鳩山政権に望む経済政策(複数回答)は「規制緩和」と「成長戦略」がトップとしています。
12月31日付日経では、政府が30日に決定した成長戦略には「『企業が主役』の視点欠く」として、「民主党政権は家計や中小事業者に優しく、大企業には冷たい」とする菅野幹雄編集委員の記事を載せています。
12月30日付日経は「政府の純負債(負債820兆円から資産を差し引いた額)が700兆円を突破し、家計の純資産1065兆円に近づき、2020年までに逆転する可能性がある。国債の『買い余力』はなくなる」として、子ども手当など家計支援で財政赤字が膨張し、将来不安からかえって消費が低迷する。内需主導の政策には限界がある、としています。
この日経の報道は大企業の言い分を代弁し、民主党政権を右から揺さぶろうとするものです。大企業、大資産家減税を温存するなど、大企業にはっきりモノが言えない民主党政権の弱点を突いているのです。
「国民が主役」の経済政策は、内需(アジア内需などという多国籍企業の言い分でなく、国民の豊かな消費文化)・家計主導で、地域に根ざした中小企業、農林漁業の多面的発展を重視するものです。こうした国民のための経済を敵視し、大企業の横暴勝手を許す新自由主義の経済政策こそ、先の総選挙で厳しい審判が下されたのではなかったのでしょうか。
新自由主義の横行が、派遣労働など労働者使い捨て、貧困の増大、弱肉強食の歪んだ社会をつくり、国民に甚大な被害を与えた上に、金融危機を招き、過剰生産恐慌・デフレスパイラルに陥り、経済社会そのものを壊していることに何の反省も無いのでしょうか。こうした大企業の巻き返しを許すのかどうか、7月の参院選は大きな戦いになると思います。
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