昨年暮の30日の臨時閣議で打ち出した鳩山政権の「新成長戦略」は、経団連に歓迎されています。これに対して日本共産党志位委員長は、4日党旗開きで「『経済成長』の願望の数字だけの『机上の空論』」「大企業の社会的責任をいかに果たさせるかという見地がまったくみられない」と厳しく批判しました。
志位委員長は、今日の経済危機打開-ー経済と暮らしを立て直すーー「経済戦略のビジョン」は、危機の性格と原因を踏まえれば自ずと明らかになるとして、この危機は「金融危機と過剰生産恐慌の結合」という性格をもち、政府も認めるように約40兆円需給ギャップが起きている。需要を落ち込ませた原因は何か。ここ12年間で雇用者報酬は27兆円落ち込み、大企業の内部留保は200兆円になった。ここに社会に還元すべき「埋蔵金」がある、と指摘しています。
最低賃金の抜本引き上げ、労働者派遣法抜本改正、中小企業下請け単価引き上げなど「ルールある経済社会」づくりこそ、「埋蔵金」を社会に還元する道であり、「需給ギャップ」を無くす最良の危機打策だ、と強調。さらに、消費を控える国民の将来不安をやわらげるのは、自公政権の社会保障費削減(構造改革)路線の「傷跡」を速やかに戻すことだ、指摘しています。
政府の新年度予算案の財源問題にふれて、44.3兆円もの借金と8兆円もの「埋蔵金」(特別会計等からの1回限りの繰り入れ)でつくられ、次年度の予算はもはや組めない、先行き真っ暗の予算となっている、と厳しく指摘。軍事費増加、大企業・大資産家優遇税制温存という「2つの異常」に手をつけないかぎり、扶養控除廃止、消費税増税など庶民大増税に行きつかざるを得ない、と批判しています。
志位委員長は、経済危機から国民の暮らしを守る「経済戦略ビジョン」を掲げ、「ルールある経済社会」への前進の一歩を刻む年にしよう、と呼びかけています。
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