普天間基地返還問題が行き詰っています。移設先として県内、国内に引受ける市町村が無いからです。ところが菅首相は、「海兵隊は抑止力にあらず」という自らの理論を投げ捨て、アメリカ言いなりに、沖縄県内、国内に押し付けようとして行き詰っているのです。
これに対して日本共産党は「移設条件無しの返還」を提案しています。それは沖縄県民の願いであると同時に、現代世界情勢についての理論に立っているからです。北朝鮮の脅威、テロ防止など色々な情勢論が持ち出されていますが、「21世紀の世界は20世紀に起こった世界の構造変化を踏まえ、すべての国が対等・平等の権利をもって、国際政治に主人公として参加する新しい時代が訪れる」という発展理論を創出し、日本共産党綱領として確立しています。
経済と財政が行き詰まりについても同様です。菅首相は、年金・医療・介護など社会保障の財源論を問われ答えに窮して「10%を目処に消費税値上げを検討する」と言い出しました。製品価格に消費税転嫁できる大企業は1円の負担もせず、転嫁力のない中小企業等と労働者・国民だけに押し付ける最悪の不公平税制ではないか、と批判されてしどろもどろ答弁なのに、です。
これに対して日本共産党は、消費税増税に反対し、大企業・大資産家優遇税制見直しによる税収確保とともに、「米軍思いやり予算」など軍事費を削れと主張しています。また、景気対策として消費税値下げこそ必要であり、増税は景気をさらに悪化させ、経済循環を壊すおそれがあると警告を発しています。
大企業が派遣など非正規労働者を低賃金で使い、下請企業に低単価を押し付けて溜め込んだ莫大な内部留保の多くが海外投資に使われています。多国籍企業となった大企業は、世界のどこにでも出かけて安い賃金労働者を使い、為替差益を含め儲けの多い相手を世界中から見つけて売る、そこに何の規制も無く、いくらでも儲けを上げることができる「規制緩和・構造改革」を政治に求めています。
「規制緩和・構造改革」論争では、民主党は自民党に対抗上色々言ってきましたが、菅政権は自民党以上にその路線を忠実に進もうとしています。世界の金融危機・過剰生産恐慌を起こし、そこから起ち上がるのに更なる「規制緩和・構造改革」を求める、多国籍企業と金融資本の政治要求に応えようとしているのでしょう。
これに対して日本共産党は、金融資本の暴走を規制する、過剰な内部留保を労働者賃金の値上げ等に回して消費を喚起することで過剰生産を防ぎ、解消することを提案しています。マルクスの「恐慌論」など資本主義の根本矛盾を明らかにした「資本論」を導きの糸にして政策を打ち出しています。