10月21,22日治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟第34回全国大会に代議員として参加しました。全国大会は2年ごとに開かれ、北海道から沖縄まで15,000人近くの会員から選出された代議員が、平和と労働センター(東京都文京区湯島)に集まりました。
戦前の希代の悪法、治安維持法による犠牲者は、小林多喜二をはじめ、逮捕者数十万人、送検7万5681人、拷問・虐待など獄死者1617人に上ります。その範囲は、日本共産党、労農各派政党、労働組合、農民組合、宗教団体、文化人、知識人など広く及びます。人権と平和を求める国民の声を圧殺して侵略戦争を遂行したのです。
敗戦で「ポツダム宣言」を受諾した日本政府により、治安維持法は廃止され、この法律により有罪判決を受けた人々は「人の資格としては罪を犯さざりしものとす」とされました。それにも拘らず歴代政府は、治安維持法を人道に反する悪法と認め、犠牲者の名誉回復及び国家賠償を行おうとはしていません。
ドイツで「連邦補償法」によりナチスの犠牲者に謝罪・賠償し、イタリアで「国家賠償法」により反ファシスト政治犯に終身年金を支給し、韓国では日本植民地時代の治安維持法犠牲者を愛国者として表彰・年金支給を行い、スペインでも一昨年「歴史の記憶に関する法」が制定され、フランコ軍事独裁の弾圧犠牲者とその遺族への名誉回復と年金、賠償金支払いが行われました。「戦争犯罪と人道に反する罪に時効は無い」とする国連決議にもとづく条約を批准した西欧諸国では、今日でもなお戦犯追及と戦争に抵抗し弾圧された犠牲者に謝罪と賠償が行われています。
こうした世界の情勢に対し日本は大きく遅れています。「国賠同盟」が毎年30万筆を超える署名を集め、年平均137人の紹介議員を得て、「治安維持法犠牲者に国家賠償法の制定を求める」国会請願を行い、また、地方議会に働きかけて、同趣旨の請願・趣旨採択が354議会に及んでいますが、未だ国会での審議・採択に至っていません。
この運動は治安維持法犠牲者のためだけのものではありません。「ふたたび戦争と暗黒政治を許さない」たたかいです。今なお134箇所もの米軍基地が置かれ、イラク、アフガニスタンなど、アメリカの軍事的覇権が発動されるとき、自衛隊が米軍と共同作戦の下にあり、日本の関わりが起こってきます。それは「日米安全保障条約」(日米同盟)の名の軍事同盟によるものです。しかし、憲法9条との関係では、アメリカの軍事行動支援で自衛隊を海外派遣することは明らかに違反です。
「憲法9条を守り自衛隊の海外派兵を許さない」たたかいを進め、日本がふたたび戦争をする国となる根源、日米軍事同盟の解消を目指す。また、北朝鮮が平和を脅かす動きをしても、6カ国協議など外交手段による解決を図り、軍事的対応を否定する。これこそ「ふたたび戦争と暗黒政治を許さない」たたかいではないか。そのために活動しているのが「治安維持法国賠同盟」です。