沖縄名護市長選で「米軍基地移設反対」の稲嶺進前市教育長が勝った、という新しい情勢を伝えるニュースとともに、私が注目する記事が2つ載っています。
一つは山陽新聞特集記事で「新しいあかり、LED」です。昨年は日本メーカーが本格製造・販売を始め「LED元年」と言われました。私は、一昨年倉敷市議会で「LED防犯灯」を提起し、早速、中島の臨鉄高架下、西阿知駅南などに設置されました。省エネと耐久性に優れた照明であることだけでなく、電波に代わる「可視光通信」の可能性を知ったからです。例えば、ペースメーカーを入れている人にとって携帯電話使用が制限されていますが、もしも「LED可視光通信」による携帯電話が普及すれば、大きな福音です。すでに病院内通信に利用されようとしています。赤青黄色が見やすいとしてLED信号機が普及していますが、それが電波中継所(LEDは光波だから光波中継所)ともなるのです。「自然と人に優しい」科学への道ではないでしょうか。
もう一つが、日経新聞インタビュー記事で、丸紅経済研究所長柴田明夫氏の「農業も『ソーラー産業』に育てよ」です。太陽光発電よりも変換効率のよい「太陽熱温水器」には助成が無い、と指摘し、年間3000万トンの穀物輸入は、その生産に使われた600億トンの水と1200万㌶の農地を輸入しているのと同然、と農産物輸入偏重を批判し、農業を大事にする社会こそ、持続可能で低炭素な社会だ、と強調しています。そして、太陽電池、太陽熱発電、電気自動車・次世代送電網などの技術への注目は、地下の化石エネルギー資源から太陽エネルギーへの転換が始まったことを意味する、と述べ「太陽エネルギーを使い尽くせ」と提言しています。
資本主義の過剰生産恐慌で経済が行き詰まり、新しい成長産業が待望されています。しかし、それは重厚長大型、大量生産・大量消費型の産業社会ではなく、「自然と人に優しい」技術開発で、すべての人の生活を支え、太陽の恵みを利用した産業(農林漁業がトップランナー)の発展ではないでしょうか。
太陽電池のエネルギー変換効率は15%程度ですが、太陽熱温水器のように太陽光を熱に変換すると50~60%の変換効率になります。家庭のエネルギーの約3割が給湯に使われることから、太陽熱温水器の普及はCO2削減に大きく寄与すると思います。太陽熱も吸着式冷凍機、吸収式冷凍機と組合せることで冷房システムも構築可能です。また、太陽光を集光し高温にすれば太陽熱発電も可能です。このように太陽熱の高度利用も今後進んでくるのは必至です。
投稿情報: 寺田 | 2010年1 月25日 (月) 16:10
早速ご指摘いただきありがとうございます。太陽熱の高度利用が重要なのですね。
投稿情報: 小山 | 2010年1 月26日 (火) 01:36