田ノ上町内会館落成記念講演会が120余人を集めて開かれ、町内在住の牧野文幸氏(41歳)が「生きるよろこび」と題して、障害者となった体験、「口と足で描く芸術家協会」画家としての活動を話してくださいました。自身の作品を一部紹介し、日本習字教育財団師範となった「口で色紙に書く」実際を見せてくれました。
天城高校2年生の夏、水泳部でスタート練習中にプール底で頭部を強打し、頚椎損傷で首から下がマヒした、と淡々と語ります。自律神経が機能しなくなり、熱い寒いの感覚が無いから体温が34 ℃まで下がっていることがある。逆に38℃に上ったりするので、夏にはアイスが必携だ。起立性低血圧で車椅子の傾斜を時々変えなければならない、など重い障害の状況を客観的に語ります。
牧野氏はきっぱり言います。「障害は変えることが出来ない。しかし、生きるよろこびを感じることは出来る」と。天高校長はじめ先生方や友達の励ましと協力で、1年3ヶ月の入院にも拘らず、1年遅れで卒業が出来た。「みんなと一緒に卒業する」という目標が、生きる喜びになった。
卒業後、何をしたらよいか、アナが空いたような感じだったが、リハビリをしていただいた理学療法士の紹介で、「足と口で油絵を描く」指導をしている先生に習い、面白くて夢中になった。口で描く筆の既製品はなく手作りだが、それも又楽しい。その先生から「足と口で描く芸術家協会」入会を勧められ、自分の絵がポスターなどに使われる喜びを味わった。
お母様と弟さんが介護・補助に来られていましたが、「介護に終わりは無い。介護する人の休息のため、行政がデイケアなどを告知してくれることが必要だ」と牧野氏は訴えていました。
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