倉敷駅周辺まちづくりが、25年前の駅前再開発以来なんら進んでいない、こうした声が強くなっています。どうしてまちづくりが進まないのか、歴史的な検討が必要です。
18年前市長直属の推進室までつくって、2私大誘致、チボリ誘致など大型プロジェクト優先政策が強行されました。「チボリを受け入れれば県が鉄道高架してくれる」はずなのに、チボリ閉園で県の鉄道高架への姿勢は大きく後退しています。公明党などが「県がやらないのなら倉敷市独自にやれ」と言い出しましたが、そもそも鉄道事業者がやるべき高架事業(新幹線がその例)を、まちづくり政策とすること自体が問題です。
日本共産党は、大型プロジェクト優先でなく福祉・教育優先を主張し、チボリ誘致に反対しました。現鉄道高架計画の「費用対効果」は少なく(関連事業含む1000億円投資して寿町踏切などの危険解消ができても、伯備線酒津踏切などは対象外)、また倉敷市が伝統的に進めてきたのは、地下道方式による鉄道立体交差(大内、安江、大島、老松地下道、万寿地下道、2010年開通予定の中庄団地北地下道)であることを指摘してきました。
鉄道高架計画のために、25年前駅前再開発に続き都市計画決定していた寿町踏切地下道が凍結され、「開かずの踏切」が放置されてきました。最近踏切内で高齢者が列車にひかれて亡くなるという事故が起こったことで、踏切の危険除去が大問題になっています。地下道方式なら100億円程度で出来、また、この踏切道が県道なので、県の緊急課題とさせる必要があります。
当初寿町踏切地下道計画が駅東再開発事業にからんでいたため、議会で「再開発から切り離し、買収方式で早期に地下道をつくれ」と主張した駅北地区の議員もいましたが、現在は、再開発をやめ土地区画整理に切り替え、鉄道高架を前提に事業を進めているため、緊急対応は不可能な状態です。
鉄道高架を待てば、これから20年以上「開かずの踏切」の危険に市民をさらしつづけることになります。倉敷駅周辺まちづくりが進まないのは、市民の安全を守る立場に立つのでなく、歴代市長が大型事業優先政策を進め、伊東香織市長も「鉄道高架不可欠論」に固執しているからではないでしょうか。
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