チボリ跡地を含む倉敷駅周辺のまちづくりはどう進めればよいのでしょうか。前提条件が3つあると思います。第1は倉敷市の“顔”などと言う位置づけをしないことです。“顔”になるものを、他所から持ってこなければならない、という発想は最低です。旧倉敷地区の中心市街地との位置づけで十分であり、博物館のある伝統的建造物群保存地区をもつ町、として全国に高い評価を受けてきたことを生かす以外には何も無い筈です。
第2は、住民の声を聞いて鉄道高架・土地区画整理など大型事業を見直すことです。鉄道高架の仮線敷を土地区画整理の減歩で生み出すことに住民の賛成は得られません。折角整備した下水道を寸断し全面的に道路付け替えをするのはムダ遣い、道路計画を現状に近いものに見直せ、と住民は言っています。そもそも連続立体交差(鉄道高架)よりも、単独立体交差(地下道)の方が、はるかに少ない経費で踏切の危険除去が出来る。寿町踏切地下道は県道昭和宮前線として都市計画決定されており、県による買収で早期実施は可能ではないでしょうか(これには駅東地区土地区画整理事業に県道昭和宮前線を含める計画は見直しが必要です)。
第3は、チボリ跡地はクラボウ所有地ですが、その社会的貢献を求めてまちづくりに生かす事です。本町のクラボウ第一工場跡地がアイビースクエア・クラボウ記念館となって市民に歓迎されたように、市民や商店街に喜ばれる施設作りや事業転換を求めることです。
なお、倉敷市が提案している倉敷用水緑道公園は、もともと「チボリはいらない万寿学区の会」代表世話人の故鴨川俊作氏がチボリ誘致に反対し、1991年クラボウに直接要請したものが原型になっています。要請文は「最低限の市民への還元として貴社の所有地の一部を提供していただき、用水の両岸に一定の幅の緑地・遊歩道などの『緑道公園』をつくり、広く市民に供されれば、市民は例えば『倉紡記念緑道公園』とでも名付け、貴社の大きな社会的貢献として、後世までその名を讃えるのではないでしょうか」と結んでいます。
クラボウがチボリ誘致に協力したことを社会的貢献と思っている市民はいないのではないでしょうか。市民は、クラボウがこれから社会的貢献をするかどうか、見守っています。そして「倉敷川緑道公園(チボリ跡地北西に隣接する倉敷市の土地と等積交換して22m幅の緑地確保。土地購入しない)は良い」が、イトーヨーカ堂の大型商業施設は「チボリより悪い」「チボリの二の舞」と市民は言っているのです。
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