石井知事が「財政危機宣言」を突然出したことに対して「なぜこの時期に?」「もっと早く分かっていたはず」など、県議会でも批判が相次いでいます。
98年(平成10年)以来、財政調整基金1億円以下となり、特定目的基金を取り崩す「禁じ手」を繰り返して予算をつくって来ましたが、小泉「三位一体改革」と称する04年地方交付税削減が大きなダメージを与えました。このまま行くと、10年度決算(11年夏に出る)で財政健全化法による「財政再生団体」(かつて財政再建団体と呼ばれた)に転落するおそれがあると言います。
「親からの仕送り(交付税)が激減した。子どもの貯金(特定目的基金)も使い果したのに、家族の医療費や保険料がかさみ、とうとう来月はこのままの暮らしができなくなった」と山陽新聞がたとえ話を書きました。
02年~06年の5年間チボリには35億円の財政支援を続ける一方、単県医療費補助削減を、市町村の反対を押して強行し、全国最低水準に落としました。そのため人工透析患者など、負担増で受診回数を減らし命に関わるおそれが出ています。日本共産党は「チボリより福祉を」と、この「逆立ち県政」転換を求めて闘ってきました。
今回の「財政危機宣言」は、危機を発生させた、国の政策(交付税削減)を問題にしながら、県がチボリなど大型事業に大盤振る舞いして積立金を使い果し、福祉を削る一方でチボリ支援を続けたことに反省の弁はありません。財政再生団体転落のおそれで、福祉削減を許さないよう、チボリへの税金投入などムダ遣いをを一日も早く止めさせましょう。
石井知事が今年末でチボリ事業から手を引くと表明すると、「完全民営化」(クラボウへの岡山県の土地賃貸契約がそのままで完全民営と言えるか)と称する「伊原木チボリ」論が声高に唱えられています。しかし、それに惑わされて税金投入が続けば、福祉削減など耐え難い被害を県民に与えることは明らかではないでしょうか。
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