民主党政権をどう見るか、情勢論の核心です。鳩山首相自身「単純に民主党の勝利と捉えていない」と言っているように、この政権交代がもつ複雑な面があります。
鳩山首相は「核兵器廃絶の先頭に立つ」「二酸化炭素削減目標25%」を国際公約し、「巨大ダム建設中止」「後期高齢者医療制度中止」「自立支援法廃止」など、民主党による政権交代を自ら「革命」と称したように、そのパフォーマンスをしています。
オバマ大統領も、また、鳩山首相も時代の要請に沿おうとしているのではないでしょうか。オバマ、鳩山の日米両政権がほぼ時を同じくして誕生し、新しい時代の到来を感じさせている事がその証です。その流れは「真の民主主義革命」に向かうのかどうか、複雑な面をもつ「過渡的政権」、と日本共産党は見ています。
「自民政治さようなら」の劇的な国民審判が下されましたが、その反動が懸念されています。民主党政権の政策が曖昧だからです。国民的人気で政権をとった後、変質し退陣し、その前より悪くなった、と言う政治の流れは、歴史に度々登場します。その繰り返しが今回も起きるかどうか、が問題になっています。
繰り返しでなく、確実に前に進むには、変革を望む国民の組織化に成功するかどうかにかかっていると思います。その組織者、推進者が共産党であり、変革の党の真価が問われる時代に入った、と言うことではないでしょうか。
「建設的野党」とは、民主党政権を「過渡的政権」と見ての、日本共産党の存在意義を打ち出したものであり、自民党が「健全野党」「建設的野党」と言うのと、全く次元が違っています。民主党政権をめぐっての綱引きで、歴史を前に進める「建設的野党」と、逆戻りを狙う「建設的野党」との、新たな段階での「自共対決」とも言えるのではないでしょうか。