「1,000円割れジーンズ」など衣料品の安売り合戦に続き、昨夏の原材料高騰を相殺して食料・日用品の6割近くが値下げ(日経調査)、生鮮市況において野菜や魚といった生活必需品が「品薄なのに安い」、洗濯代、月謝、牛丼、宿泊料といったサービス部門の値下げなど、10月は前年比過去最大下落率(全国消費者物価指数)となりました。これは、需給ギャップ(実需要と潜在的供給力との差)が年40兆円規模(内閣府試算)に達する深刻な需要不足(生産過剰)が起きているからです。
政府は「デフレ宣言」を行い、日銀が金融市場に10兆円規模の資金供給を打ち出しましたが、デフレは止まる兆しはありません。物価・企業収益・賃金が連鎖下落する「デフレスパイラル」に陥るおそれが出てきました。
こうした状況について日本共産党は、第25回大会決議案第5章で「世界経済危機にたいして、世界各国は、国際的な強調によって、とりあえずの金融・財政的対応をおこなったが、全体として過剰生産恐慌から抜け出すにはいたっていない」と述べています。
特に日本は深刻で、サービス部門の物価変動率が米欧では+0.9~1.8%と上昇しているのに日本では-0.6%と突出して下落し、需給ギャップが、米欧-3~4%に対して日本が-7%と大きく、デフレ圧力の強いことが指摘されています(日経11月21日、12月6日付報道)。
こうした日本経済の異常について、大会議案第2章で「『ルールなき資本主義』の国・日本では経済危機が特別に残酷な形であらわれている」として「貧困と格差の拡大、『使い捨て』労働の広がり」など、世界の他の国には見られない「過労死」「派遣村」を生んでいると告発しています。そして「日本経済が、今日の経済危機から抜け出し、家計・内需主導で安定的に成長するうえでも」、「『ルールある経済社会』への転換は最も合理的な方策である。それはまた、中長期的な視野で見れば大企業の健全な発展にもつながる」と述べています。
過剰生産恐慌、デフレスパイラルは、「資本主義の『死に至る病』」「資本主義的生産の真の制限は資本そのものである」とマルクスが喝破したように、その根本解決は体制変革まで行かなければなりません。大会決議案第5章は「21世紀の世界は、発達した資本主義諸国での経済的・政治的矛盾と人民の運動の中からも」「資本主義を乗り越えて新しい社会をめざす流れが成長し発展することを、大きな時代的特徴としている」(日本共産党綱領)と展望しています。
世界経済危機の被害から国民を守る政策とともに、問題の根源を無くす展望を明らかにして、社会進歩を促進するためにがんばっているのが日本共産党です。
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