12日付日経で、桜井正光経済同友会代表幹事が「各政党は、国の将来像とともに消費税に関する確固としたビジョンを示し、国民に選択の機会を与えるべき」と述べ、「消費税17%」「医療保険・介護保険の自己負担率引き上げ」「公共事業の歳出削減」で財政健全化の道筋を描け、と言っています。さらに「法人税実効税率35%に引き下げ、政府は企業の戦略展開を後押しする環境整備と規制緩和を断行すれば、企業収益が好転し法人税増収がもたらされる」とバラ色の主張を展開しています。
しかし、これは財界・大企業の身勝手な言い分です。11日付「しんぶん赤旗」は、2000~2008年で大企業の利益剰余金(内部留保の一部)が売上高の20%に達し、1980年代の2倍以上の「異常なため込み」と報じました。特に、90年代からは売上高がほとんど伸びていないのに、利益剰余金だけが増え続けています。国民の雇用や暮らしに大きな苦難を与えながら、財界・大企業はあくなき利潤追求にひた走る、こんな「国のかたち」を桜井氏は好ましいとでも思っているのでしょうか。
日本共産党は11日、労働、農業、中小企業、医療、女性、青年など各分野50団体120人と「経済懇談会」を開いて意見交換を行いました。志位委員長は「大企業の過剰な内部留保と利益を国民に還元させる」ことを提起するとともに、「ルールある経済社会」へ「5つの提言」を行いました。
第1は、派遣法の抜本改正を勝ち取り「正社員が当たり前」の社会をつくり、1997年以来減り続けた所得を取り戻す「大幅賃上げ」を求める労働者の闘いに連帯する。
第2は、下請け単価を際限なく切り下げる大企業、親企業の無法を一掃し、公正な取引ルールをつくる。「中小企業を日本経済の根幹」に位置づけた総合的振興策、緊急対策として、町工場への固定費補助を実施させる。
第3は、農林漁業の再生で食料自給率の本格的な向上に取り組む。価格保障、所得補償による生産コストの保障をしっかり行う。歯止めの無い輸入自由化をやめ、食料主権を保障する貿易ルールをつくる。
第4は、社会保障を削減から拡充に転換する。緊急課題として、後期高齢者医療制度の速やかな廃止、高すぎる医療費の窓口負担の引き下げ、国の責任で高すぎる国保料の引き下げ、診療報酬の抜本的増額を図る。
第5は財源政策で、軍事費と大企業・大資産家優遇税制にメスを入れ、消費税増税に反対する。
財界・大企業の身勝手な言い分を鵜呑みにする政党か、それとも国民の苦難解決の立場でハッキリものを言う日本共産党か、参院選の争点はここに帰着するのではないでしょうか。
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