菅首相は「雇用問題が一番」と強調していますが、労働者派遣法改正では、「常用・非正規雇用」を認め、大企業に寄り添っています。日本共産党は労働者の立場に立って、「非正規でなく、正規労働が当たり前」の、抜本改正を求めています。
また、首相は、大企業内部留保など「カネ余り」の還流を口にすることがありますが、その一方で大企業などの法人税減税と最悪の大衆課税・不公平税制である消費税増税を目玉政策にしています。日本共産党は、法人税減税でなく、大企業・大資産家への各種優遇税制を廃止して財源を生み出し、消費税は絶対反対です。
そもそも資本主義である限り、「失業・半失業」及び「過度労働」はなくならず、益々酷くなる、と言うのが、マルクスが明らかにした資本主義の基本矛盾です。大企業が競って資本蓄積を行う一方に、失業者、半失業者(非正規労働者)など「産業予備軍」が増大し、それによって、正規労働者への「低賃金、過度労働」圧力が強められます。そして、正規、非正規を問わず、労働者への「資本による専制支配」が進み、「資本の蓄積とそれに照応する貧困の蓄積」法則が貫徹していきます。
こうした雇用・貧困問題を解決するため、失業手当、生活保護など社会保障制度が労働者の要求でつくられました。これは、失業・半失業者を資本主義生産過程から外すことで、矛盾の激化を和らげるものですが、そのための費用を誰が負担すべきか、が問題です。大企業は法人税減税とともに社会保障費用の負担減を狙い、「自己責任論」を振りまき、消費税増税を押し付けようとしているのです。
では何をなすべきか。マルクスは「労働者が労働組合などによって、就業者と失業者のあいだの計画的協力を組織すること」を呼びかけています。正規、非正規を超えた労働組合運動こそ「資本主義的私的所有の弔鐘」を鳴らす主体形成への、「歴史的傾向」の具体的な形ではないでしょうか。